サポーターズカンファレンス要旨
- 2009-01-12
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サポカンの議事模様をお伝えします。
○ 開催日時 2009.1.9 19:00~21:00
○ 開催場所 ブラザー仙台ビル・仙台青葉カルチャーセンター
○ 出席者
㈱ベガルタ仙台 白幡社長、安孫子専務、手倉森監督、丹治強化部長
(その他 各担当部長等が補足説明)
参加サポーター 約80名
司会 ベガルタ仙台・市民後援会理事長 佐々木
○ 運営 ベガルタ仙台・市民後援会運営委員、アシストスタッフ
(速記によるものですので、別途訂正することもありますのでご了承ください。)
白幡社長あいさつ:
昨年度の皆様の応援に感謝している。今年度も昨年以上の応援をお願いしたい。
年初フロント全員に「わ」の話をした。まずは「輪」。サポーター、スポンサーの輪を広げる努力をしたい。一人でも多くの知人をスタジアムにお誘いいただき、輪を広げることにご協力いただきたい。二つ目は「話」。コミュニケーションを深めていきたい。できること、できないことを明確にしていきたい。三つ目は「和」。チームワークのこと。少ないスタッフで期待に応えなければならないため。
社長就任後話したことは「尊敬」という言葉にこだわっていきたいということ。お互いが尊敬し合う、尊敬される存在になる努力をすることが大事。「と」を「の」に変えるという言葉があるが、「親と子」、「先生と生徒」など「と」で繋がると対立的な構図になる。「ベガルタ仙台のサポーター」、「サポーターのベガルタ仙台」と言える繋がりに。
悔しい思いをしたからこそ、J1昇格への不退転の気持ちが高まっている。残って欲しい選手は全員残ってくれたし、効果的な補強ができた。早い時期にJ1昇格を確実なものにしたい。
手倉森監督あいさつ:
昨シーズン1年間焦れずに「共闘」ありがとうございました。選手達は最後まで諦めず力を出し切れた。しかしJ1昇格を達成できなかったことは深くお詫びしたい。
昨シーズン残ったのは悔しさだけ。振り返ってみて、純国産でチームが走り出したが、外国人や他チームからの補強で成り立っていたチームを変えたかった。生え抜きの日本人を核に戦いたいという意図があった。焦れないで戦うことを求めてきた。焦れったい試合もあったし、最後の最後でジュビロにも勝てなかった。8回しか負けなかったが、16回引き分けてしまったのが反省点。理由としては下位チームとの取りこぼしがある。相手に合わせてしまう悪いところが出た。そこを今シーズンは変えていかなければならない。
今シーズンは外国人を最初から入れるが、方針転換ではない。土台を作って、2年目はしっかり補強をして臨みたいと思っていた。FWとCB、左SBに外国人を補強をして戦っていく。
皆さんには今シーズンなるべく焦れさせない戦いを見せたい。下位チームにはきっちり戦術・技術面の差を見せつけて勝つ。ダイナミックにもっとスピーディーに攻める。守備でも攻撃的な守備で今シーズン戦いたい。選手が攻守に「躍動」しているサッカーで戦いたい。なるべく優勝争いに近い位置にいて最後に抜け出したい。完全昇格目指して皆さんと一緒に戦いたい。
【昨シーズンの振り返り・今シーズンの抱負について】
Q.人とボールも動くサッカーの完成度は?
手倉森監督:
望月前監督の時の方がそうだったではないか、と書いてあるが、相手にボールを握られた試合も数多かったし、なかなか人とボールが動けない試合もあった。まだまだここは追求しなければならない。それを望月監督の時から推し進めて3シーズン目。昨シーズンよりも人とボールがスムーズに動くことを期待して欲しい。
Q.ターニングポイントとなった試合は?
手倉森監督:
どれも大事だったが、勝った試合ならアウェイ湘南戦、C大阪戦は大きな勝ち点3を拾えたが、第3クール水戸に土をつけられた戦いやダービーでの負け越しは痛かった。今シーズンは取りこぼしのないようにしたい。
Q.夏場の戦い方について。
手倉森監督:
結果的に夏場に足踏みしてしまった。昨シーズンはDFラインが安定しなかった。DFラインの高さをコントロールしてきたが、ラインが下がってゴールまで距離があったのが反省点。DFラインが上下動できる戦術を作り、夏場もなるべくラインを下げないことをキャンプの時から意識したい。
【チーム補強】
Q.補強の意図。
丹治強化部長:
まずセンターバック、左サイドバック、FWが補強ポイント。夏場に戦えることを考え、エリゼウを入れセンターを強化。そして朴柱成。うちの攻撃は右肩上がりだったが、左サイドからも攻め上がりたい。ラインをもっと高く上げることも考え、獲得した。FWはもっと走れる選手を獲得したかった。
大幅な補強ではないが、昨シーズンの主力をベースに足りないところを補った。
Q.新卒が少ない。
丹治強化部長:
レイソルユースから島川を獲得。新卒は1名。本来もう少し取りたい思いはあったが、J1のチームに取られてしまったのが現状。補うために朴柱成や若い選手を獲得した。
Q.29名でシーズンインするのか?
丹治強化部長:
まず29名でスタートする。チームが進むにつれて、いろんなことが起きるが、アクシデントに対応できるよう、調査も含めながらやっていきたい。
Q.マルセロ・ソアレス選手を獲得した経緯説明を。
丹治強化部長:
昨シーズン途中でナジソンを獲得しようとした時も、大量のリストから調査している。DVDが代理人から送られてくるので、気になる選手をピックアップする。何試合かビデオを見た中で、実際に現地で見る。マルセロ・ソアレスは5~6月に実際現地調査で見た。更に11月にも現地調査を重ねて獲得を決めた。
Q.練習試合が少なかったのでは。
手倉森監督:
今シーズンは増やす。
【育成・下部組織】
Q.ユース選手のトップに昇格できていない。指導の見直しについては。
山路育成部長:
2月1日付けで育成部長に就任する。我々指導者の力不足だが、今後もトップチームに選手を送り込みたいと思っている。
短期的に選手を昇格させることができなかったのは反省点だが、拮抗したレベルでの試合環境作りがまだできていない。2005年にジュニアチームが発足したが、U-12、13、14でベガルタ独自のリーグ戦発足を計画している。既にベガルタリーグがジュニア(U-12)でスタートしている。地域指導者向けの講習も行っている。
手倉森監督:
昇格できなくて終わりではなくて、仙台大に進学している選手が何人かいる。そういう選手を追い続けたい。ユース出身の仙台大の子をサテライトリーグに登録してあげたい。今、そこを山路育成部長と話し合っている。
Q.セカンドチームを置く計画は?
丹治強化部長:
現時点では非常に厳しい。将来的にクラブの規模、基盤が大きくなってきた時に取り組みたいという考えはあるが、絶対作るとは言えない。
Q.ソニー仙台や他の地域リーグとの連係は。
丹治強化部長:
ソニー仙台とは良い連係は取れていると思う。大久保剛志が期限付き移籍しているが、彼の成長を期待する意味もあり、ソニーさんの補強の意味もある。今までよりは多少なりとも連係は深まっていると思う。
Q.地元チームからの選手獲得がないのは。
丹治強化部長:
ユースから上がるのがベストだが、それができなければ宮城県、更に隣県と広がっていく。
安孫子専務:
今までのような落下傘的な育成のあり方ではなく、山路育成部長をはじめ、チームOBを活用し、お互いに情報を交換し、幅広い人的交流をしていきたい。
Q.地域全体の力を集めるための努力をもっとやるべきでは。
山路育成部長:
長期的な目標というところで指導者のレベルアップの話をした。4種年代(小学生年代)では我々スタッフが宮城県内の指導者に対して情報共有をさせてもらっている。U-16の国体のところでもスタッフを派遣して、情報提供・協力をしている。まだまだ足りないので、連係を強めていきたい。
【経営ビジョン・中期経営計画等】
Q.中期計画のここまでの実績、今後の予定。今後の財務状況は?中期経営計画は前社長時に定められているが、どういう位置づけになるのか。
安孫子専務:
3カ年計画で昨年に無償減資、社名変更を実施させていただいた。減資後の経営のあり方だが、入場料収入は入れ替え戦もあった関係で目標には若干届かなかったが近い数字までは行った。人件費も日本人選手中心だったこともあり、黒字に持って行ける。J1昇格・定着を目指す3カ年計画の初年度としては入れ替え戦まで行ったということで、大きな解離とまではいかなかったのではないか。現中期経営計画は変更無しで行く。
Q.増収のアイデアは。
安孫子専務:
入場料収入以外というと、やはりスポンサー収入。厳しい経済状況なので、地道に小口スポンサーを多く集めたい。
グッズ販売について、仙台以外での販売を求められている。スタジアムやオフィシャルショップ以外でも、地方のショッピングセンターなどを活用する考えがある。
昨シーズンから冠スポンサー試合を行っている。こういったことも力を入れたい。
入場料収入は一つの大きな核。今までとは違ったやり方で、仙台市以外への拡大ということで、仙台市以外の地場産品発売などでの他地域からの入場料収入を上げていきたい。
Q.入場料収入、ファンクラブ会員の伸び等、数値目標が現実的なものとは思えない。社員が具体的に実現可能な目標でなければ意味がない。計画を打ち出す時だけ、花火を打ち上げるがごとく派手に大きな目標を打ち出すのではなく、地に足のついた経営をお願いしたい。
安孫子専務:
もう少し現在の情勢を見ながら検討したい。
【宮スタ対策】
白河事業部長:
たくさんご意見いただき、外部の方も入れて検討している。
アクセスに関して、駐車場は前回無料としたが、台数の把握が困難だった。駐車券を販売し、台数を制限する。シャトルバスは泉中央駅、利府駅に加え、仙台駅からの発着を検討中。JRの協力も仰ぎ、電車の増便も検討している。平日開催のキックオフ時間も検討中。
飲食売店の数が足りないという意見が多かったので、増設を検討。サービス向上に向け各売店と協議。場所についても改善していきたい。
シート貼りは昨シーズン広島戦同様(ユアスタ同様)としたい。
安孫子専務:
宮城大の事業構想学部の先生の分析も踏まえ、総合的な対策を考慮している。関係者と協議し、社内にプロジェクトチームを作り、改善に全力で取り組んでいる。
Q.年間チケット購入者への駐車券の対応は。
白河事業部長:
現在も協議中。年チケ購入者にもローソンでの販売を考えている。
Q.キックオフ時刻は遅らせるのか。
白河事業部長:
そういう考え方もあるということ。まだ検討中。
Q.昨年宮スタで行った時、ホーム側にオーロラヴィジョンがあってアウェイのような感じだった。変更はできないのか。
白河事業部長:
利便性を考えた時、北側にバスの発着所、駐車場があるため、従来通りで行きたい。
意見.宮スタで1回も勝っていない。席の値段が高い方がヴィジョンが見えないというのもおかしい。何かを変えないと勝てないのではないか。
【集客策】
白河事業部長:
宮城スタジアムのアクセス等の問題、イメージが定着してしまっている。アクセスの悪さを払拭したい。皆さんからのご意見を解析している。イメージを払拭するアイデアを出していきたい。
キッズ・ファミリー層をターゲットにした対策を考えている。
安孫子専務:
今年クラブ創設15周年の節目。15周年記念行事を行い、集客に繋げたい。これからプロジェクトチームを立ち上げ、社員のマインドも一新したい。新たな企画を作ってやっていきたい。宮城県内市町村とのタイアップ、バスツアー等も考えている。
白幡社長:
岩本アンバサダー、高橋下部組織GKコーチなど人気のあるOBにも来てもらった。そういった方にも集客に協力してもらいたいと思っている。
Q.2008年シーズンサポーターとクラブに一体感ができたことについて。
手倉森監督:
「共闘」というキャッチフレーズでチームとサポーターに一体感が生まれた。スローガンは今後検討するが、「共闘」、「絆」は永遠に皆で共有したい。
【経営改善等】
Q.昨シーズンの監督交代騒動、スポンサーの意向という報道もあったが。
白幡社長:
決してサポーターをないがしろにして、スポンサーにお伺いを立てているというわけではない。スポンサー企業の方には取締役も多い。経営というのは取締役の方々の意見も十分聞かなければならない。皆さんからいろいろご意見を聞いて判断をしたい。
昨年の騒動はまだ社長就任前。こういう話があるのかと驚いた。
Q.入れ替え戦進出が決まった時に続投報道が出たが、入れ替え戦敗退後解任報道が出た。
白幡社長:
表現が悪かったかも知れないが、自分の心の中で監督続投に向けて7つハードルを設けており、シーズン終了後そのいくつかのハードルを越えたという認識はあった。
Q.シーズン途中の時期に後任の名前まで出たのは異常。名川社長が任期を待たずに退任したこともあったが。
内部情報が誰かから漏れているのでは。
安孫子専務:
内部情報の流出とあったが、フロントの考えが漏れたのなら問題だが、あの件は私も一切関知していない。名川社長が退任した理由は5年弱務め、直近2年間でクラブの大きな問題を改善でき、疲労感を考慮し、自己都合で辞任された。
Q.名川社長の退任と同時に様々な噂が流れてた。スポンサーの噂について、サポーターとしてはチームの私物化ということで腹が立つ。
安孫子専務:
私もサポーターマインドを持っている。東北電力時代から応援している。
そのような噂は心外である。信じていただきたい。
Q.意見だが、サポーターをないがしろにしないでほしい。今後もサポーターの気持ちを考えた行動をお願いしたい。
【営業強化】
Q.新規スポンサーについて。
吉田営業部長:
現在のスポンサー獲得状況。ユニフォームはアイリスオーヤマ様、七十七銀行様は決定。その他は鋭意営業を行っている。その他人海戦術でスポンサー獲得を行っている。
Q.トレーニングウェアのスポンサーについて。
吉田営業部長:
メニューをスポンサー経費提示で用意している。大きさなどの制約もある。種類に応じての交渉となる。
Q.新しいグッズが少ない。
吉田営業部長:
一定数量出したが、在庫の問題もあった。新規商品の取り組みが足りないということなので、グッズモニタ会議で様々な意見をいただいた。具体的にはカップホルダ付きの座布団など新しい展開ができた。今年度も継続してモニタ会議を行いたい。
Q.ユニフォームサプライヤーが変わる噂があるが。
貝田事業部長代理:
現在はアシックス様と契約している。アシックス様との契約期間はまだあるので変わるということはない。デザイン変更については乞うご期待ということで、もう少し返答を待って欲しい。
【その他】
Q.社長と意見交換の場を。
白幡社長:
メールは全部目を通している。私宛の物は遅れるが回答できるようにはしている。今日の会合は有意義。決してないがしろにしたくない。
Q.高校生のチケット料金が高い。
安孫子専務:
2009年のチケット価格についてだが、昨シーズン企画チケットということでハーフタイムチケットなどと一緒にディスカウントしている。高校生から大学生・大学院生までを含め、正式なチケットのカテゴリに入れて割引をやりたい。
チケットに関しての要望で一番多いのが、食事券付きチケットだった。料金を下げる意外にもやり方がある。宮スタは規制が多いが、要望に応えた形の努力をしたい。
Q.ファン感を無料にして欲しい。
貝田事業部長代理:
これまではファンクラブを優待、それ以外有料としていた。今シーズンも同様にしたい。ファンクラブ会員数の話もあったが、ぜひいらっしゃるご意志のある方はファンクラブにも入っていただきたい。
Q.秋春制についてのクラブの見解
安孫子専務:
私はJリーグの秋春制検討委員になっている。昨年12月に第1回の会議を行った。非常に悩ましい部分があり、否定的な意見が多い。我々に絶対的なメリットがあればやれないことはない。スタジアム・練習場などの問題があり、リスクもたくさんある。それらをどのくらいクリアできるか委員会で詰めたところで結論を出していきたい。
Q.ワンタッチパス専用ゲートを用意して欲しい。
白河事業部長:
当クラブにとって初めてのこと。各クラブで導入事例があるので、それも考慮しながら柔軟に対応したい。
Q.自由席の席取り規制について。
安孫子専務:
快適なスタジアムづくりを考える上で、自主的な取り組みだけでなく、オーロラビジョンでの呼びかけ、警備員の配置など対策を立てたい。クラブのできる範囲で努力したい。
司会.最後に監督から一言。
手倉森監督:
今シーズンは勝つのみ。絶対昇格する。力を貸して欲しい。
以上